スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | | スポンサー広告

白に埋まる (ピオニーとジェイド)


懐かしい声がきこえた気がして、うっすらと目をあけた。


防寒服に身を包んだ幼馴染みが馬鹿にするような目でこちらを見下ろしていた。

「…ピオニー陛下。こんなところで眠ってはいくら貴方でも凍死しますよ。国を治める王が雪だるまと共に埋もれるなど嘆かわしい」

どうやら雪布団の上で眠っていたらしい。
びっしょり濡れたピオニーはさすがに眉をしかめた。
溶けた雪が染み込んだ服は確実にピオニーの体温を奪っている。
「風邪をひくのは覚悟しないと(きっと一般人ならこの時点で生命が危うい)」とピオニーを引き起こすジェイドの息は白く、このケテルブルクの空気にとけていく。

「…ジェイド」
「まだ寝ぼけているんですか?というか何故貴方がここに?」
「あぁ、ネフリーに会いに来た」
「…ネフリーなら留守ですよ」
「みたいだな」

ケテルブルク知事宅は薄暗く人の気配はない。
(留守を任せるはずだった女中も用事が出来てしまい家はニ日だけ空っぽになるとネフリーが言っていた。もっともそれを知るのはジェイドのみだが。)

「タイミング悪いですねぇ」
「…だな」
「で、陛下。どうやってここへ?」
「ん?それは秘密」
「…まぁいいでしょう」

聞いても今更ですし、貴方なら何をしていても驚きませんとジェイドは苦々しく溜め息をつく。その中に僅かだが愉しさが潜んでいるのを感じ取ってピオニーは笑った。

「あ~、折角ここまで来たんだし。スパにでも行くかねぇ」

体を暖めないと不味い。生死に関わると本能的に察知したのかピオニーは体を動かして、伸びをする。
頭に積もった雪が落ち、溶けたそれは水滴となって髪を伝い落ちた。



(TOA。大佐と陛下。前半部分がどっかにいってしまったもの。ケテルブルク好き。)

2006.05.18 | | Comments(0) | Trackback(0) | TOA

目 (王子とミアキス)

「王子の目って独特ですよねぇ」

ミアキスはリムが眠って暇になったのか、起こさないように注意しながら王子の方を向いた。
窓から城下を眺めていた王子はミアキスの声にはっとしたように部屋の中に視線を移した。
どうやら意識ここにあらずだったらしい。
外にそんなに面白いものでもあったのかとミアキスは思ったがリムスレーアが膝の上に乗っているので残念ながら確認する術はない。

「えと、なんだって?」
「いえ、そんなに重要な話じゃないんで改まって聞く必要もないと思いますよ?ただ王子の目が綺麗ですね~、って話をこの間姫様としていたんですぅ」
「目?」
「えぇ。姫様はフェリド様譲りの綺麗な栗色でしょう。王子は女王陛下の色なのかなぁと思ったんですけど、ちょっと違う感じがするんですよね」
「へぇ」
「空と大河、そんな色だと思いますよぉ」

きれいです。
リムスレーアの髪を指で梳きながらミアキスは言った。


(私的に4主の目の色は海の色で王子の目の色は空の色)

2006.05.09 | | Comments(0) | Trackback(0) | 幻水

ありがとうをいわせて (ロイ→リオン)


「なぁリオン、俺はお前の『かわりのないもの』になれた?」

一番になりたいなんて贅沢なことは思わなかった。
俺が一番を望むということはリオンの定義を覆すということで。つまり王子が一番だというリオンの存在理由を頭ごなしに否定することになりかねない。
だから、せめて

朦朧としてきた意識の中、まどろみに逆らってロイは考える。
青すぎる空の、降り注ぐ太陽の光が優しく自分を貫いた。眩しさに、ただでさえ血の足りなくなっている身体はたえられそうにない。

(かわりじゃなくて、俺を覚えていてくれるように願わせて。それが叶うならほかに何も望まない、望めないから)


「俺はお前のかわりに死ぬんじゃない。ましてやお前を庇って俺がこうなっているのだと考えるならそれは思い上がり以外の何物でもない」

離れたところにいるであろうシエルに届かないことを知りながら呟く。

(リオン。お前が好きだよ。だから俺は自己満足のために死ぬんだ)


こんな考え方が出来るようになる日がくるなんて、かつて路地で生き繋いでいたあの惨めな生活からは想像も出来なかった。
短い一生でも意味を持って、自分で選べた。お前は俺に生きる意味を教えてくれた。だからさいごに、



ありがとうをいわせて


(幻水5。ロイ→リオン。篭城ルート。タイトルはあなたにおくる20の言葉より。)

2006.05.04 | | Comments(0) | Trackback(0) | 幻水

託 (ユーラム)

「託されてくれますか?」

止め処なく溢れる血。
誰の目から見ても最期が近いことを決定付けるそれにユーラムは拳を握ることで表情に出すことを耐えた。
ユーラムの震えに気付いた兵士は「大丈夫ですよ」と掠れた声で告げる。
これから死に逝く者に心配をかけさすまいとユーラムは「私のことはいい。何を託されよう?」とあまり残された時間が長くないその兵士に口早に尋ねた。
その言葉に兵士は目を見張り「やはり貴方は変わられた」と何かを握った手を持ち上げる。
受け取ったそれは鈍く光るペンダントだった。
血に濡れたそれは青い石がついていてタリスマンの一種だろうと推測する。

「レインウォールの、紋章屋の娘に・・・」
「わかった」

同時に男から力が抜け、逝ったのだということを直感で察する。
ここは戦場で、戦がある以上ひとは死ぬ。
わかってはいるけれど、やるせなさが支配する。
特に劣勢な場合の、医療現場なんて悲惨としか言いようがない。
今も患者が床に入りきらないくらいに溢れている。

「ユーラム殿・・・」

遠慮がちに声をかけてきたボズにユーラムは肯いてその場を離れる。
この先は自分の範囲外。専門家に任せるしかない。
自分にできる最善のことを。自身に言い聞かせるようにユーラムは呟いた。



(一文字漢字題の97『託』。幻水5。ユーラム君。受けついだものの重さ)

2006.05.03 | | Comments(0) | Trackback(0) | 幻水

sss(4)


発掘したネタ未満の短文集。
リボーンとかTOSとか。


【“sss(4)”の続きを読む】

2006.05.03 | | Comments(0) | Trackback(0) | sss

«  | HOME |  »

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


Designed by nippori
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。