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もう涙は出ない (キリルと誰か)


あの頃の僕は酷く弱くて馬鹿みたいに人間染みていた。うしなった苦しみ取り戻せない怖さ、なくした痛みが辛くて、泣いて泣き続けた。この上ないくらい泣き叫んでやがて涙は枯れ果てた。だからもう涙は流れない。悲しいも苦しいも感じない。感じられない。僕は。


「かなしいなら泣けばいい。悔しいなら声を張り上げて。感情を隠すことは誇れることじゃない。人間らしさをみせつけてやればいい。君には、」

(僕の頭を撫でる手は変わらず優しく、熱かった。)

「まだ流れる涙があるのだから」

顔をあげると疲れたような微笑みをうかべながら黒髪の青年は変わらず頭を撫でてくれている。
何故かその笑みに惹かれた。
人間の仕草と呼ぶのはそぐわない。ふさわしくない彼の細められた、渇いた瞳に魅せられた。



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2006.05.29 | | Comments(0) | Trackback(0) | 幻水

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