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壊れて (ピオニーとディスト)

「今更、何をいうのかと思えば」

疲れきったような曖昧な嘲笑をディストは浮かべる。
誰に向けてでもない、ディスト自身に向けた壊れた感情に、ピオニーは内心舌打ちをした。

「あのころになどもどれない」
「サフィール」
「私たちが追いかけていたものは幻想で、何をしてももうネビリム先生は帰ってこない」
「サフィール!」

叫ぶように台詞を止めるピオニーに視線を向けたディストは嘲笑を浮かべたまま続ける。

「戻れない!いくら貴方が帝王とて所詮は人の子!時間を操る術など持たないだろう!持たない以上、貴方は一生私の願いを叶えられない!」

狂ったように、否。きっともう狂っている彼は何度も何度も同じことを繰り返し過去にすがる。
大人になることを拒むこどものように純粋で一途なその願い。

だけど、そんなのは叶えられない。
自分にも、他の誰にも。

「サフィール」

ピオニーが掴んだディストの腕は氷のように冷たくて、血など一滴も通っていないみたいに白かった。
あの思い出の埋められた冷たい白のごとく。

そして何もうつさない、現実を見つめようとしない紫の瞳が一瞬、憎悪をむき出しにする。
なにかを口にする前に強い力ではね除けられた。



(TOA。陛下と死神。こわれているのは世界かそれとも自分の方か)

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2006.05.18 | | Comments(0) | Trackback(0) | TOA

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