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利用されてもいいかな、なんて (4主とシグルト)

「…無礼を承知で申し上げますと」
「何?いきならあらたまって」
「今の貴方は、道化に見えます」
「…厳しいねぇ」

シグルトは真っ直ぐにこの船の主を見つめた。
少年というには大人びていて、青年というにはまだあどけなさを残した軍主は、シグルトの視線をしっかりと受け止めながら困ったように微笑んだ。

「確かに、僕はお飾りの軍主かもしれないね。実質、この軍はエレノアさんとリノ王で動いてるようなもんだ」
「………」
「僕はただ罰の紋章を持つだけの、人形だね」
「チハヤ様」

かち合わせていた視線を外して、チハヤは遠くの海を見つめた。
甲板には生温く纏りつくような風が吹いていて、もうすぐ雨が降るとシグルトは思った。

「…それでもいいんだ」
「え?」
「何かあったとき。望ましくはないけれど、万が一の危機にみんなを守れるならそれで僕は、」
「チハヤ様!」

その先を聞いてはいけない気がしてシグルトは声を荒らげて阻もうとする。

(駄目だ、その先を言わせては、冗談だとしても、否。それが本気だと知っているから、こそ。)

「そのために命を落としても構わない」

チハヤの海よりも青い瞳は強い意思を秘めてシグルトを貫いた。



[幻水4。シグルトと4主。タイトルは自暴自棄6題から]


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2006.04.24 | | Comments(0) | Trackback(0) | 幻水

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