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宙 (ロイと王子)


「宇宙ってさ、」
「宇宙?」

「そう、宇宙。この世界、大陸とかはひとつの星で、そらの彼方にはたくさんの星があって、全部ひっくるめて宇宙って呼ぶらしいんだ。誰が言ってたかは忘れたけど。もしかしたら本に書いてあったのかも。とにかく、曖昧だけどそう呼ぶらしい。宇宙は真っ黒で、星達はその中で、きらきらと輝いている。その何万何億それ以上の輝きの、たったひとつの星に僕達の暮らす、ファレナだとか…群島諸国だとか北のハルモニアや赤月帝国だとか、全部ひっくるめた、世界と称されるものがあって。世界には海や森、山や河といった自然があって、その中に国があって町や村があって、数えきれない数の生き物が存在して、何かをしている」
「壮大だな。途方もない話だ」
「そう、途方もない話だよ。それを考えたら自分が凄くちっぽけに見えてきて、ここで何かをしてもなにもかわらないんじゃないか、とか。宇宙から見たら僕達にとってこんなに大きな影響を及ぼすこの争いすら塵の如きものなんだ、とか。ならば、こんな小さな存在の僕達に何ができるんだろう、とか。つい、弱気になる」
「………」
「?」
「あのなぁ、それは弱気じゃなくて卑屈ってんだ」
「ひくつ?」
「そう。俺はうまく言えないけど、生きている以上きっとすべてのものに意味があると思うぜ。大きい、小さいは別として。ひとつが周りに与える影響力って、結構馬鹿にできないんだよ。過去であれ未来であれ今であれ、極端な話、こうやって俺とお前が話をしていることだって、そうだろ?」
「…うん。そうだね」

うじうじすんなよ、ロイは呆れたように僕を見る。いつも通り金色の目を細めて笑うその姿は僕と似て非なるものだった。


「じゃあ僕は少しでも、多くの影響を与えられるひとになりたい」


富とか名誉とかそんなものいらないから。

ぽそり、呟いた言葉がロイに届いたかどうかはわからないけれど、きっと気持ちは伝わってた。



(幻水5。微妙に修正。王子とロイ君。途方もないはなし)

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2006.05.24 | | Comments(0) | Trackback(0) | 幻水

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