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距離 (ピオニーとディスト)

それが何ですか。

台詞は思ったよりも簡単に零れ落ちた。

牢の内側から放たれた重さを持たない言葉は震えてもいない。
無感情、のそれにピオニーは眉を顰めた。
そんなピオニーの姿を見て、再びディストは自嘲気味にわらう。

「今更情けをかけるつもりですか。馬鹿らしい。さっさと軍法会議にでもかけたらいいでしょう。私を」

戦犯の名を被るのはもう私くらいしかいませんし、と呟く。

「お前本当に」

そう思っているのかよ、続けようとした言葉をピオニーは飲み込んで、ただ責めるようにディストを見つめた。


昔からディストはピオニーが嫌いだった。
この目力も強さを含んだ言葉も、太陽のようなこの存在が。

すべてを容赦なく照らし出す。

「……えぇ」

ディストは確かにこの騒動の首謀者だろう。
しかしそれゆえ、フォミクリーに関してはジェイドと並ぶ。
レプリカ問題が山積みの今、彼の技術は殺すには惜しい、というのが国の本音だ。
議会だってみすみすディストを殺すわけにはいかないだろう。

「……ディスト、」
「―――私を、照らそうとしないでください」




格子越しのふたりは、こんなにも遠い。

(そのひかりがにあうのはわたしではないのだと、ずっととおいむかしにおもいしらされていたのだから。それでもばかみたいにそのひかりにこがれていたじぶんがいたのもまた事実。) 

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2006.02.16 | | Comments(0) | Trackback(0) | TOA

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