スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | | スポンサー広告

春を告げよ(海燕とルキア)

「私の力が…至らないだけですから」
「いつまでもうじうじしてんじゃねぇよ」

また何か白夜に言われたのだろう。
躍起になってひとりで鍛練をする朽木を半ば無理矢理座らせる。
呆れた顔で見下ろす俺を見ようともせず朽木はただうつ向いて唇を噛み締めた。
それを横目に俺は水筒を手に取る。

「ほら、水分ちゃんと摂れ。倒れるぞ」
「あ、あの…副隊長も無理に付き合って下さらなくても」
「は?」
「私が力量不足なだけですから」

伏し目がちに諦めたような表情を浮かべる朽木の頭に手をのせる。
いつもの如く、ひぁ、と驚いた声をあげて身をすくませた。
小さい体がより小さく見える。

「言っただろ。俺は何があっても手前の味方だって。変に気を使ってんじゃねぇよ」
「…あ、ありがとうごさいます」

朽木は気を取り直して練習用の剣を構え直した。
確かに剣術は苦手かもしれないが、それだって人並みにはあるし鬼道は明らかに他のヤツより光るものがある。

もう少し、自信がつけば。


「お前は、鶯なんだよ。きっと」
「は?」
「知らねぇのか?ホーホケキョって鳴く鳥」
「いぇ、知っていますが…何故、私が鶯なのですか?」
「鶯は、初めは全然鳴けないんだ」
「え?」
「鳴き始めが…冬の終わりに、凄く下手でたどたどしくて、これは本当に鳴き声なのか…ってヤツ」
「……」
「でも、しだいにすごく綺麗に鳴けるようになる。草木が芽吹く頃には、その立派な鳴き声で春を知らせるんだ」

沢山鳴く練習をして、春を教えに来る。

お前はきっとそれだ。
それになるといい。

「は?」
「朽木も沢山色んなこと覚えて、吸収して、私はこれだけ成長したんだって、みんなに教えてやればいい」

春を告げるあの鳥のように、お前が俺たちに教えてくれればいい。
春を告げるその鳥の、またの名を鶯。

そういって、笑った貴方はもういない。
ただ鶯が春の訪れを告げた。

スポンサーサイト

2006.02.15 | | Comments(0) | Trackback(0) | BLEACH

コメント

コメントの投稿


秘密にする

«  | HOME |  »

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


Designed by nippori
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。