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桜雨 (ツナと雲雀)


「わぁ…」

青空に一面の薄紅色の花びらが散りゆく。
その見事なコントラストにツナは思わず声を上げた。
隣に立つ、並盛中で最も恐ろしい男と畏れられる少年は半眼で桜とツナを交互に見て、目を伏せてから呟いた。

「…嫌いだ」
「え?」

彼は花見を好んでいた気がする、と言葉の意図が掴めずにツナは目を首を傾げる。
そして雲雀の顔をみて、ツナは納得したように微笑んだ。

「雲雀さん、群れるのが嫌なんですか?」
「うん」
「なら、桜は好きなんだと思ってました」
「…どうして」

だって、とツナは再び空を見上げる。
一陣の風が駆け抜けて、木々を揺らし花びらを振り撒いた。
雲雀は眉を顰め、しかし視線を放すことなく(何にだかは分からないが)耐える。

「誰かが言ってたんですけど『桜は咲いているときは群れている。けれど、散る時はひとりひとりばらばらなんだ』って」

雲雀は珍しく驚いた表情でツナを見た。

「桜、好きですか?」
「………(嫌いじゃない)」

またひとひら、はなびらがてのひらにふりおちた。


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2006.04.20 | | Comments(0) | Trackback(0) | REBORN

空を飛ぶ夢を見た (ツナ)


気付いたら、眼下に灰色のビルが広がっていた。
見覚えのある、ビルが立ち並ぶ。
独特の空気。故郷の日本の近所のもの。

(そういえば、随分長いことかえっていないなぁ)

ホームシックにかかるなんてらしくもない。
何の願望が見せた夢なんだろう、こんな非現実な。
ああでも母さん元気かな。みんな楽しくやっているんだろうか。
ランボとかイーピンと遊んでいた日々が懐かしい。
あの時はまだマフィアになるなんて夢物語だと思っていたのに。

随分と、汚れてしまった、かな。

あの頃には戻れないと知っていて、思いを馳せる。
てのひらを覗き込んで、その赤黒くこびりついたものに嫌気が差した。
直接手を下したわけではないにしろ、自分はたくさんのものを奪ってきた。

この灰ガスで汚れた空気はまるで自分みたいだ。

汚い、と思って顔を手で覆う。
けれど口から零れた言葉はいとしい、だった。

「・・・・・・馬鹿にも程があるよ、何言ってんだか」

耐え切れずにしゃがみこむ。
指の隙間から灰色と、それを凌駕するくらい鮮やかな青空が見えた。


(REBORN。ツナ。10年後。おそらくボンゴレリーダー)

2006.02.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | REBORN

まどろみに (ツナと子供達)


目を覚ますと、妙な重みが足にかかっていた。
霞がかる視線を動かして捉えたのは、小さな幾つかの影。
自分の足に頭を乗せて、安らかな寝息をたてる生き物が三つ。

「……ランボとイーピンと、リボーン?」

ツナは驚いて声を上げた。
起きてしまうかと思ったが、三人は身動きせずに眠っていた。
自分が此処に寝転がったときは、確かにいなかったのだが。
ひらひら、風に吹かれた桜の花が三人に舞い落ちた。
見上げると、青空を霞ませるように優しい両手を広げた桜の木がある。
ツナは目を細めた。春の眠りは心地良い。
彼らも、ついうつらうつらと寝入ってしまったのだろうか。
何故自分の足が枕に使われているのかは分からないが、ツナは手を伸ばし鞄から上着をとりだして三人にかける。
穏やかな陽射しが辺りを包み、淡く光る。
幸せそうな寝顔に、此方も幸福感に満たされる気がした。


(花見の回の後に。ほのぼの捏造。他の人達は何処にいったのか(汗))

2006.02.22 | | Comments(0) | Trackback(0) | REBORN

日常 (10年後。ランボとイーピン)

突然、視界が歪んでぼやけた。

「ちょ、何するかな」
「イーピンの眼鏡外した顔、久しぶりに見た」

ランボに前方から見つめられている、らしい。
人の輪郭等はぼんやりと判断出来るが、全体的にぼうっとしていて、見えない。

「……返して」
「もう少し待って」

イーピンは目を思い切り細めて、ランボを睨みつけた。
少しだけはっきりしたが、まるで駄目。
きっと、すごく嬉しそうな表情をしているのだ。
これじゃ勉強にならない。大袈裟にため息を吐いてみせた。

2006.02.21 | | Comments(0) | Trackback(0) | REBORN

朝 (骸とM・M)

目が覚めて。

私はふぅ、と息をつく。
仄かに薫るアロマは自分の借りているホテルの部屋のそれとは違う。シャツ一枚の格好でシーツにくるまり、ふかふかの枕に顔を埋める。
高級なベッドと布団はやはり肌触りからして違う、と暫くそれを堪能してから上体を起こした。隣で壁の方を向いて眠っている骸ちゃんの背中は珍しくリズム正しく動いていて。
私は寝息をたてて心地よさそうに眠る骸ちゃんを起こさないようにそっとベッドから足を下ろし、眠りを確かめてからスリッパを履いて立ち上がる。


西側にあるベランダに通じる窓には長いカーテンがかけられていて。少しだけ開けて外を覗けば空は白んできた位でまだ空にはうっすらと月が残っていて太陽の姿はない。
それを確かめて、しっかりとカーテンを閉めた。
テーブルに置かれたデジタル時計はAM4:12と表記されている。
失敗した、早く起き過ぎたわと小さく悪態をつくも今更眠りなおす気にもなれず、ソファにぼすりと座り込む。楽な姿勢を考えるとほぼ寝転がる様な格好になった。
それでもちっとも窮屈な感じのしないソファに私は満足して小さなライトに手を伸ばす。
引き寄せてサイドテーブルの上にライトを乗せれば丁度手元を照らすようになった。床に転がっていた自分の鞄からって昨日届いたカタログと電卓、ラインマーカーを取り出す。
カタログの丁寧で派手な(逆を言えばひどく無駄な)包装を無遠慮に破り床に投げ捨てた。
たいして格好良くもない男と化粧の厚い女がポーズをとっている表紙には無視をして、ぱらり、ページを捲ればそこにはいつも通り新作からヴィンテージ物のバッグやら洋服、宝石などがぎゅうぎゅうと所狭しと説明つきで詰まっている。次々とページを捲りどんどんめぼしいものにマーカーで印をつけていく。
一通り印をつけ終えると電卓を弾き計算をはじめる。前回の臨時収入を思い出し口の端をもちあげれば、ぱちり、部屋の電気がついて。
ベッドで眠っていたはずの骸ちゃんがコーヒーメーカーから黒い液体をカップに注ぎながらこちらを見てクフフ、と笑った。
私は雑誌と電卓から目を放し口を開く。

「なぁに、骸ちゃん」

いい夢でも見た?と冗談混じりに言えば
「まぁそんなところです」と骸ちゃんはまたクフフ、と笑った。

「ふぅん」

興味無さげに小さく呟いて雑誌に視線を戻す。
残りを計算をすると僅かに予算オーバーした。
電卓に並ぶ数字にうーん、と声をあげれば「そうだM・M、いい仕事があるんですよ」と骸ちゃんは安楽椅子に座り湯気の立ち上るカップに口をつけた。
私は骸ちゃんがテーブルに置いたもうひとつのカップを手に取りながら挑発的な笑みを浮かべて「なぁに?」と尋ねる。
その私の態度が気に入ったのか「引き受けるかどうか決めてから内容を教えます。もちろん礼金は弾みますよ」と満足そうに骸ちゃんは言った。



2006.02.14 | | Comments(0) | Trackback(0) | REBORN

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